貧富の格差が加速していく時代、1%の富を99%が奪い合う社会

 

現在の日本では「貧富の格差」があります。
そして、この格差は拡大する傾向にあり、その拡大は年々加速しています。

 

日本はかつて、「一億総中流」社会と呼ばれていました。
アメリカや中国においては、「貧富の格差」は顕著ですが、
日本においても、いつしか「貧富の格差」が顕著になりつつあります。

この「貧富の格差」はいったい何を原因として発生し、
どうして拡大を続けているのでしょうか?

今回は「貧富の格差」の原因について考えてみました。

 

世界がもし100人の村だったら

「世界がもし100人の村だったら」という本が、かつて話題になりました。
その当時の世界の人口約63億人を100人の村と置き換えた時に、
人種や宗教、経済などの切り口で、どのような人数の分布になるのか、
を示した大変興味深い本です。

本には以下の記述があります。
「すべての富のうち、6人が59%をもっていてみんなアメリカ合衆国の人です。」
 74人が39%を、20人がたったの2%を分けあっています。」

今から10年以上前に出版された本となりますので、
2018年現在の状況は、この当時の状況から少し変わっているとは思います。
しかし、大きな傾向はこのまま引き継がれていると思いますし、
少人数のアメリカ人による富の独占については、さらに進行しているようにも感じます。

 

日本という国は、世界的にみると大変恵まれている国です。
しかし、その恵まれた日本という国の中においても「貧富の格差」は確かに存在し、
この「貧富の格差」は年々拡大傾向にあるのです。

日本はかつては「一億総中流」社会と呼ばれ、
「貧富の格差」が小さい社会構造であると言われていました。
しかし、バブル経済崩壊後(1990年代前半)以降、
格差社会(貧富の格差)の進行が社会問題として認識されるようになりました。

それでは、現代の社会問題とされる「貧富の格差」とは、
具体的には、いったいどのような格差なのでしょうか?

 

 

「世代間格差」と「絶対的な格差」

「貧富の格差」といった時、現代の日本においては2種類の格差があると考えます。
それは「世代間格差」と世代間に限定しない「絶対的な格差」です。

 

日本は、1980年代からのバブルへの対応から始まる、
30年あまりの経済政策の失敗によって、20年以上の長期経済低迷を経験してきました。
1990年代前半から始まったこの長期経済低迷を「失われた20年」とも言います。

それでは、いったい日本は、
この長期経済低迷期間をどのような方法でに乗り切ってきたのでしょうか?
それは「若者を犠牲にした調整」です。

長期間の不景気を生き延びるために、
若者の採用数枠や正規社員枠を減らすことで、賃金を低く抑える、
制度設計は変更しないで、若者の将来受け取るはずの年金給付額を減らす、
こういったことが長い間続けられてきました。

これによって、「逃げ切りができた世代(高齢者世代)」と「現役世代」には、
歴然とした格差が生まれました。これが「世代間格差」です。

私たちは豊かな時代に生きているのに、なぜこんなにも苦しいのか?

2018.04.16

 

「世代間格差」は大きな問題ではあります。

しかし、「世代間格差」が騒がれるようになることで、
現役世代に対して、こども手当を支給するなどの世代間格差を埋めようとする動き
も出てきていることも事実です。

そういったこと踏まえると、近年においては、
「世代間格差」拡大の進行は、ある程度は止まっていると考えることができます。

 

しかし、「絶対的な格差」についてはどうでしょうか。
「絶対的な格差」とは「現役世代」の間でも「高齢者世代」の間でも、
「絶対的に存在している貧富の格差」のことです。

この記事を書いているのは2018年ですが、
近年では、この「絶対的な格差」の拡大が「貧富の格差」の拡大に、
大きく影響していると感じています。

 

 

「絶対的な格差」が広がる理由

「絶対的な格差」が拡大する理由としては、大きく2つが考えられます。

1つめは、
「資産家たちとそうでない人たち」の格差が広がりやすい社会構造になっていることです。

「資産家」は保有している資産を利用して、さらなる収入を得ることも可能ですが、
「そうでない人たち」は労働のみによって、収入を蓄積していく必要があります。

つまり、現在の社会構造は、
「資産家」が大きな資産をもとに、早く大きく収入を得ることができるのに対して、
「そうでない人たち」は働いて、遅く小さく収入を蓄積することしかできないです。
こうした資産格差と収入格差の相互作用で、格差は雪だるま式に拡大してしまうのです。

 

2つめは、
「労働者」(そうでない人たち)の間に仕事内容の二極化が進み、
これに伴い、仕事から得る収入に格差が広がっていることです。

仕事内容の二極化とは「誰でもできる仕事」と「そうでないない仕事」の二極化です。
「誰でもできる仕事」とは、マニュアルがあれば誰でもできる仕事のことを指します。

これらの仕事から得られる賃金は現在でも高くはないですが、
今後、さらに低下していく傾向になると考えられます。

この理由として、
・日本は人口減少期に突入しており、今後も消費が低迷していくこと
・外国人労働者が参入しており、低い賃金でもこれらの仕事の働き手があること
・これらの仕事に対して、人口知能やロボットがさらに代替されるようになること
などが主な理由として挙げられます。

このように、私たちは「貧富の格差」が拡大しやすい社会に生きているのです。

 

まとめ

考えたこと

【日本で「貧富の格差」が拡大を続ける理由】
・「世代間格差」と「絶対的な格差」の2種類の格差があるが、近年では、
 「絶対的な格差」の拡大が「貧富の格差」の格差に与える影響が大きいと考えられる。

・資本によって、収入を早く大きく得ることもできる「資産家たち」と、
 労働によって、遅く小さく収入を蓄積するしかない「労働者たち」の間に、
 格差が発生しやすい社会構造になっている。

・「労働者たち」の仕事内容が「誰でもできる仕事」と「そうでない人たち」に分かれ、
 さらに、「労働者たち」の間にも仕事によって得られる収入の格差が広がっている。

 

「世代間格差」と「絶対的な格差」によって、
「貧富の格差」がさらに拡大してきています。

しかし、私たちがこれらの問題を解決することは簡単ではありません。
私たちはこれらの問題と対峙しながら、自分たちの人生を考えていく必要があるのです。