あたり前のことを言いますが、
私は、うつ病には決してなりたくありませんでした。
少しづつ、少しづつ改善はしていますが、
今もつらく、苦しい日々を送っています。
私は、うつ病になって良かったなんてことは、
まったくもって思っていません。
ただ、自分がうつ病になって、世の中を見る目線が大きく変わりました。
「今までの人生では分からなかったことが分かった」
という感覚がありました。
今回はこういった気づきについて、お伝えします。
心と体が一番大事というあたり前のこと
「健康が一番大事」という言葉は、使い古された言葉です。
誰しも聞いたことがあるし、誰しもそれは正しいことだと言います。
たけど、私はそれを守ることができませんした。
仕事によるストレスで虫垂炎や帯状疱疹になりました。
そして、これらを原因の一端とし、結果としてうつ病を発症しました。
また、流行性結膜炎(はやり目)になった時は、
角膜が傷ついて、目に激痛がはしる中でも、
パソコンを前に、片目をつぶりながら仕事を続けました。
結果として、私の視力は著しく低下してしまいました。
健康が一番大事と知っているはずなのに、いつもいつも、仕事を優先し、
私は、私の心と体のことをいつも後回しにして生きてきました。
しかし、私はうつ病を発症し休職となったことで、
自分の「心と体が一番大事」ということを本当の意味で理解しました。
私は自分の「心と体」を犠牲にしてまで、
「仕事=会社」のために懸命に働いてきましたが、
会社は、私のことを一生守ってくれるわけではないのです。
現在、私は会社を休職中となります。
休職期間中であっても、ある程度の給与も支給されますので、
私は恵まれている方だと言えるかもしれません。
だけど、このまま休職が続けば、
私は自動的に退職の扱いとなり、会社を追い出されるのです。
心と体が健康であれば、
その間はずっと働いてお金を稼ぐことができます。
だけど、心と体にもしものことがあれば、
それ以降は働くことはできず、収入を得られない状態にすぐに陥るのです。
こんな当たり前のことを私は知っていたけど、
本当の意味で理解していなかったのです。
自分が何をしたいのかを考えてこなかった
先ほど私は、「仕事=会社」のために懸命に働いてきたと書きました。
これはこの通りなのですが、もう一方で、別な私の気持ちがあります。
それは、会社をクビにされなくたいと、
必死に「会社にしがみついていた」「会社に依存していた」という側面です。
自分に合わない仕事や、健康を害する恐れのある労働環境であれば、
心と体に害がおよぶ前に、その会社を辞めればいいのです。
ただ、私はそういった考えや行動には至りませんでした。
それは、「安定した場所から離れたくない」
という恐怖にも似た気持ちが強くあったからだと思います。
世間一般には、転職すると年収がぐんと下がって後悔するだとか、
何歳以上の転職は難しくなるだとか、ネガティブな情報が蔓延しています。
そういった情報や他人からの助言によって、
私はいつしか、会社にしがみついて依存することしか考えない、
思考停止状態に陥っていました。
だから、自分が苦手でやりたくない仕事であっても、
「仕事なんだから、やりたくなくことでも我慢するのは仕方ない」
と言って、自分を無理矢理納得させてきました。
仕事がつらい時期は、
「つらくても根性で頑張れば何とかなる、まだ努力が足りないんだ」
と言って、体に鞭を打って自分をごまかしてきました。
私は、自分の本当のやりたい仕事について、
いつしか、考えることを諦め、ただ会社にしがみつくために、
これを正当化する理由を考えるようになっていたのです。
つまり、私はこれまで、
「本当は自分が何をしたいのか」を考えることを諦めていたのです。
人の心の痛み、苦しみを理解すること
これまでの私は、例えば、子供がいじめで自ら命を絶つだとか、
15歳~39歳の死因のトップが自殺であるだとか、
こういったニュースを目にした際、大変恥ずかしいことですが、
どこか自分とは関係ない話だという感覚がありました。
とても不幸なニュースだとは感じてはいましたが、
それは、どこか他人事として捉えていました。
だけど、自分が人生のどん底に立たされて、
初めてこれらのことを、自分のことのように感じられるようになりました。
私は、うつ病の症状がもっとも悪い時、
毎日毎日、「この世からいなくなりたい」と頭の中で繰り返し呟いていました。
ただ、自ら命を絶つようなことは、踏み留まることができました。
それは、親のことを考えたり、
他人に迷惑を掛けられない、といった理由もありますが、
もう一つの大きな理由としては、
頭の中で、実際にどうやって実行するのかと考えてみた時、
単純に「とても怖くてできない」と感じたからです。
自ら命を絶つことを実行された方々は、
こういった葛藤や恐怖をも越えて、死を選んだということになります。
それだけ、生きていることが、つらく、苦しかったのでしょう。
こういった、「人の心の痛み、つらさ、苦しみ」を
私は、はじめて、自分のことのように感じるようになりました。
まとめ
・私は「本当は自分が何をしたいのか」を考えることを諦めていた。 ・「人の心の痛み、つらさ、苦しみ」を自分のことのように感じるようになった。
【うつ病になってわかったこと】
・自分の「心と体の健康が一番」であることを、本当の意味で理解した。
うつ病になって分かった、これらのことを一生忘れないように、
そして、これらの気づきを今後の人生に活かして、生きて行きます。